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Aiニュース
【建設×Ai】建設業におけるAi活用事例5選!
ヒトや企業の抱えている課題をITの力で解決させる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」という考え方が注目を集めています。さまざまな業界分野において、Ai技術を活用した生産性の向上や、業務効率の改善に向けた取り組みが必要不可欠となりつつある昨今。今回は、建設業におけるIT化とIT技術の具体的な導入事例などについて、わかりやすく解説を進めていきます。建設テックとは「建設テック」という言葉をご存知でしょうか。建設テックとは、「建設(Constraction)」と「Technology(技術)」とを掛け合わせた造語のことで、一般的には建設建築分野全体におけるIT化を指すものです。建設業におけるAi活用場面についてAiの得意分野の一つとして「単純作業の効率化」というものが挙げられます。Aiは定型的な動作やパターン化された作業を、高速かつ高精度に処理することができるため、人間よりもより高いパフォーマンスで作業の実行が可能。。建設業におけるAi活用の代表例としては、竹中工務店が開発した「3つのAI」が挙げられます。これは、リサーチAi、構造計画Ai、部材建設Aiという3種類のAiを、設計段階に応じて使い分けることによって、構造設計における単純作業を約7割ほど削減することができます。このようなAi活用の取り組みは、ほかの企業においても積極的に開始され始めているため、Aiを駆使した業務効率化は今後ますます重要なものとなるでしょう。建設業におけるAi活用のメリットでは、Aiの技術を建設業に活用することで、一体どのようなメリットが得られるのでしょうか。人手不足の解消まず1つ目のメリットとしては、「人手不足の解消」という点が挙げられるでしょう。特に、少子高齢化が加速している現代日本においては、生産労働人口の確保は非常に重要な問題であり、機械的な単純作業をAiが担うことで、労働力や人員不足の解消を見込むことができます。業務効率の改善2つ目のメリットとしては、「業務効率の改善」という点。Aiの得意分野の一つに、「深層学習」や「機械学習」といったものが存在しますが、これは対象のデータを隅から隅まで分析することによって、人間が気付かなかったようなデータの特徴などを見つけ出すことができます。作業内容や業務フローをAi学習させることで、より効率的な業務フローの発見や、効率的な運用方法を探し出すことができるかもしれません。ユーザー体験の向上3つ目のメリットは、ユーザー体験の向上という点。たとえば、Aiを搭載した「チャットボットサービス(チャット形式での自動応答システム)」を導入すれば24時間365日の自動対応が可能となり、Aiカメラを活用すれば建物のセキュリティ強化や物件運営の自動化ができるようになります。Ai技術を活用することで、業務そのものの効率化だけではなく、ユーザーにとっての利便性の向上などが期待できるでしょう。建設業におけるAi活用のデメリット便利なAi技術ですが、少なからずデメリットというものもある程度は存在します。以下でデメリットを確認していきましょう。業務効率の悪化を招く恐れがあるAiを導入することで、かえって業務効率の低下や生産性の悪化を招く恐れがあるため、こちらは注意が必要です。万能なようにも思えるAi技術ですが、作業の内容や活用方法に応じては、当然のことながら得手不得手というものが存在します。まずは導入の前に、全体の作業工程をしっかりと把握し、どの部分がネックとなっているのか、どの工程を効率化させたいのかなど、入念な運用計画を練る必要があるでしょう。一定の学習データが必要になるAiは人間が行った作業などの具体的なデータを学習することで、初めてその真価を発揮するものとなるため、対象となる学習データが存在しなければ意味がありません。導入することで必ず効率化が実現できるといったものではないため、まずはAiの仕組みや特徴などの基本的な部分は、しっかりと抑えておきましょう。人間の仕事を奪う可能性がある業務の効率化や人手不足の解消に効果を発揮するAiテクノロジーですが、それは言い換えると、人間の仕事を奪う可能性があるということにほかなりません。これは建設業に限った話ではありませんが、Ai技術の革新が進むことで、人間が行っている作業の大半がAiによって代替可能となった場合、私たちの生活が脅かされる危険性があります。技術的な活用方法だけではなく、運用にあたっての法整備やモラル的な側面での理解など、テクノロジーとヒトが共存していくうえで必要なリテラシーの向上が必要になるでしょう。建設業でのAi活用事例5選!ここからは、建設業におけるAiの活用事例を5つほどご紹介していきます。現場作業の効率化(鹿島建設)鹿島建設では、Aiを搭載したロボットの活用により、単純な繰り返し作業や負担の大きい作業を自動化させることに成功しています。ロボット技術を導入したことで、これまで人間では不可能だった下方からの上向溶接が可能となったため、溶接の品質面における向上と高速化が実現されました。今後はAIを活用した溶接ロボットのオペレーター育成・訓練を実践し、全体的な施工システムの構築を図っていくそうです。建設支援ロボットの運用(清水建設)清水建設では、Aiを搭載した建設支援ロボット「シミズ・スマート・サイト」の運用によって、人間にとって負荷の大きい作業や繰り返し作業などを自動化させることに成功しました。清水建設が長年に渡って培ってきた建設技術をAiに深層学習させることによって、最先端の科学技術に結晶させたは、建物の3Dモデリング技術(=BIM)とAiテクノロジーとを融合させた自律型の建設支援ロボットです。Aiが自分で判断し、自分で作業を行ってくれるという自律型の建設支援ロボットになります。建設機械の自動制御(大成建設)大成建設では、建設現場における重機類の自律走行をサポートする制御システムの開発を手掛けています。建設機械に設置された各種センサーから情報を収集し、現場作業員の作業情報と照合させることによって、ヒトや障害物の検知ストップ機能を実現しました。作業員との接触防止や検知システムの導入によって、より安全性の高い作業現場の構築に大きな力を発揮してくれます。リノベーションプランの提案(アイランドスケープ)アイランドスケープでは、Aiを活用した住宅リノベーションプランの見積りプラットフォーム「ORE(オープン・リノベーション・エンジン)」の開発と運用を手掛けています。専用サイトからリフォームの工事内容や外観スタイルなどの希望を入力することで、システムに搭載されたAiが、選択された条件に沿って過去案件を分析します。分析を通してユーザーに最適なリノベーションプランの提案と見積り書の作成を自動で行ってくれるため、顧客満足度やユーザー利便性の向上が期待されています。24時間365日のチャット対応サービス(エスケーホーム)エスケーホームが提供するチャットボットシステムは、マンション管理や住宅運用において大きな効果を発揮するでしょう。チャット形式の専用画面から問い合わせ内容を入力することで、搭載されたAiが速やかに自動回答を行います。これまでは受付スタッフがメールや電話でのリアルタイム回答を行ってきましたが、チャットボットシステムを導入することによって、24時間365日の自動応答体制の構築と人件費などのコストカットを実現することが可能です。まとめ人手不足の問題や労働環境の問題など、多くの課題を抱えている企業にとって、Aiテクノロジーの活用は魅力的な選択肢と言えます。昨今では、Aiの技術革新によって今まで機械だけでは不可能とされてきた複雑な作業の実行などが続々と可能となっています。今回ご紹介した具体的な事例なども含めて、業務全体に課題感を感じている場合にはAiサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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Aiニュース
Aiの進化で教育はどう変わるのか?【小学校編】
昨今、Aiテクノロジーの分野は、医療業界や建設業界などのさまざまな業界分野において目覚ましい活躍を果たすようになりました。近ごろでは、学校教育の現場においてもAiの技術が活用されるようになり、プログラミング授業の必修化や、タブレット端末を用いた学習手法の採用など、教育現場におけるIT化の波が押し寄せています。今回は、そんな教育分野におけるAi技術の活用方法や、その果たすべき役割などについて、チェックしていきましょう。Aiが小学校の教育にもたらす影響とは教育現場においても活用されるようになったAiテクノロジーですが、近代技術の結晶であるAiという存在は、学校教育の現場において一体どのような影響をもたらすのでしょうか。ここでは、小学校教育に求められているAiについての要素を主軸に、主に3つのポイントに絞って解説を進めていきます。小学校の教育に求められていること現代の小学校教育に求められている代表的なものの一つとしては「多様性」という要素が挙げられます。従来の教育モデルにおいては、より画一的な人材教育を行うための「再現性」という側面が重要視されてきましたが、昨今の小学校教育においては、学習者の隠れた能力や資質を引き出す「多様性」という側面が求められるようになってきました。たとえば、テストであれば、設問や解法のパターンに一定の法則性があるような「答えのある問題」ばかりが出題される傾向にありました。しかし近ごろでは明確な回答が存在しないような「答えのない問題」が脚光を浴びるようになり、設問に対しての学習者の多様性が重要視されるようになってきています。Aiが教育に及ぼす良い影響小学校教育にAiツールを導入することによって、子どもが学習につまずいた際には、適切なアドバイスを提供することができます。自宅学習に利用する際には、学習時間や学習すべき内容などを提示することができたりと、その時々において効果的なフォローを行ってくれるでしょう。また、教育を提供する教育者の観点から考えると、こうした一連のタスクをAiに任せられるということがメリットになります。教育現場における労働時間やワーク・ライフ・バランスの問題などの諸々の課題を解決させることができるでしょう。Aiが教育に及ぼす悪い影響上記のようなメリットがある一方で、Aiによる学習指導に慣れてしまった結果、学習者自身の「能動的に考える力」が失われてしまうという危険性があることも事実です。特定の内容を効率的に学ぶという限りにおいては、Aiは優秀なツールと言えるでしょうが、学習者の「考える力」や「学ぶ意思」をAiだけで養成するということは難しいでしょう。Aiツールの導入によって、かえって学習者の多様性や主体性を削いでしまわないためにも、ツールの設計段階においては、学習者自身の学びの機会を奪ってしまわないよう、慎重にデザインを施していくことが重要です。『教育×Ai』で求められていることここからは、教育現場のAiツールに求められている要素を、あわせて3つほどご紹介ます。①フィードバックの安定性第一の要素としては「フィードバックの安定性」が挙げられるでしょう。同じ学習内容についての質問を投げかけたときに、昨日と今日とで質問への回答が異なってしまっては困りますよね。学習支援ツールとしてのAi活用という点においては、こうした一定の評価を保ってくれるような「安定性」の側面がまずは重要となってきます。②フィードバックの高速性第二の要素としては「フィードバックの高速性」が挙げられます。みなさんは「エビングハウスの忘却曲線」をご存知でしょうか。これは、ドイツ人の心理学者であるヘルマン・エビングハウスによって提唱された「人間の記憶力」に関する理論になるのですが、この理論によると人間の記憶力は学習後の20分間で約4割程度もの内容が失われていると言います。Aiによる学習ツールにおいても、フィードバックが遅鈍で使いものにならなければ意味がありません。高速なフィードバックでリアルタイムな回答が行えるよう、高速かつ高精度なAiツールが必要となってきます。③学びの機会を与えるようなデザイン性第三の要素としては「学びの機会を与えるようなデザイン性」の側面が重要になってくるという点です。先ほどもお伝えした通り、Aiツールの導入によって学習者自身の「能動的に考える力」が損なわれてしまっては本末転倒です。あくまでもAiとは、特定の学習を支援する高精度なツールであって、人間の教育者の代替として機能するものではないため、そうした特性を理解した上で、慎重なデザイン設計を施すことが重要と言えるでしょう。Aiの活用で小学校の教育はどう変わるのか先生の業務について人間の教師が担っていた煩雑な教育タスクの多くは、今後はAiによって続々と効率化されるようになるでしょう。人間の教育者は、これまでの雑務をAiに任せられる代わりに、「考え方」や「学ぶ意味」の提供といった、より重要なタスクに集中できるようになります。従来よりも創造力(クリエイティビティ)に富んだ教育的な業務が中心となるため、そうした時代の価値変化に対しても柔軟に対応できる能力が今後の教師には求められるようになります。教育方針について教育方針に関しても、Aiツールの普及にともなって、学習者自身の「多様性の伸長」という側面がますます重要視されるようになります。従来型の画一的な教育モデルが価値を失い、より多様な考え方が価値を高めるようになるため、Aiが担う仕事と人間の教師が担う仕事とをしっかりと分けて考えながら、学習カリキュラムや教育体制の抜本的な改革を実施していくことが肝要です。まとめいかがでしたでしょうか。ほかのビジネス業界と比較した場合、教育の分野というものは単に企業の利潤を追求するようなものではありません。それはAiに関しても同様で、単純に業務の効率化や生産性の改善を追い求めるようなツールではなく、設計段階においても教育的な意図という側面が重要となってきます。教育現場へのAi導入を実施する場合には、教育者への負荷の軽減も念頭に置きながら、学習者の学ぶ機会を奪ってはなりません。教育的意図を考慮した緻密な運用計画を練ることが大切と言えるでしょう。
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Aiトレンド・特集
DX(デジタルトランスフォーメーション)におけるAiの役割とは
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉をご存知でしょうか。近ごろ、ニュースや新聞などでよく耳にするようになったこの「DX」という言葉ですが、その内容や具体的な活用方法などについては、知られていない部分も多いもの。今回は、DXとAiにおける関係性や具体的な導入事例などに焦点を当てて、わかりやすく解説を行っていきます。DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?そもそもDXとは、2004年にウメオ大学(スウェーデン)のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念。「テクノロジーの浸透によってもたらされる人々の生活様式の変化や利便性の向上」などを表す言葉です。組織や企業によってその捉え方はさまざまですが、一般的には、「ヒトや企業が抱えている課題を、ITやAiなどのテクノロジーの力を用いて解決させる」という考え方全般と捉えて良いでしょう。DX(デジタルトランスフォーメーション)についてたとえば、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大にともない、多くの企業ではテレワーク(在宅勤務)への移行が推奨されるようになりました。業種や職種によっても異なりますが、オンライン会議やビジネスチャットなどのデジタルツールの活用によって、満員電車に乗らなくても仕事を進めることができる場合もあるのです。。DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されている理由近年、さまざまな業界分野では、DXへの取り組みが急速に進められていますが、その要因の一つとしては「Ai技術の発達」によるところが大きいと言えるでしょう。これまでの精度の低いAi技術においては、業務利用を行う際にも局所的な機械作業にしか活用が期待できませんでしたが、昨今では、Aiの高精度化と「ディープラーニング(深層学習)」の活用によって、よりさまざまな可能性が模索されるようになりました。ディープラーニングの技術を応用することで、膨大な顧客情報などのビッグデータの分析から新たなサービス開発を行うことができたり、カメラに搭載することで、画像認識や人間の表情分析なども行うことができます。DX(デジタルトランスフォーメーション)の事例について「OYO LIFE」の事例インド発のホテルベンチャー「OYO(オヨ)」が提供する「OYO LIFE(オヨライフ)」は、「ホテルのように部屋を選ぶだけ」というコンセプトのもと、開発が進められた次世代の賃貸不動産サービスです。通常の賃貸契約においては、入居にかかる初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)の発生や、各種ライフライン(電気・水道・ガス・Wi-Fiなど)の手続き、大型家具や家電の搬送など、煩雑な作業が多く、引っ越しそのものへのハードル上昇の主要因となっていました。オヨライフでは、入居にかかる初期費用は清掃費(おおむね1万円前後)のみで、敷金や礼金などの高額な初期費用は一切ありません。また、電気や水道などのライフラインに加えて、家具や家電などの生活必需品も入居当日から備わっているため、まさにホテルを選ぶような感覚で手軽に物件を契約することができます。契約自体もスマホ一つで完結するため、たとえば、半年間や1年間など、あらかじめ具体的な滞在期間が決まっているホームステイや単身赴任などの場合には、より柔軟で幅広い賃貸契約が可能になります。「Amazon GO」の事例アメリカの大手通販サイト「Amazon(アマゾン)」が運営する「Amazon Go(アマゾン・ゴー)」も、近年のDXによる成功事例の一つと言えるでしょう。アマゾン・ゴーでは、店内に設置された無数のAiカメラが、カゴに入れられた商品情報の自動分析を行います。顧客は退店ゲートを通るだけで決済を完結させることができるため、買い物におけるレジの待ち時間を解消させることに成功しました。「ZOZOSUIT」の事例日本企業の事例として、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」の「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」をご紹介しましょう。自らの身長や胴回りなどの計測を行わなくても、ゾゾスーツを着用するだけで自分の身体的な特徴が自動的に計測されます。商品の購入時には、スーツで計測した情報をもとに、身体のサイズに合った洋服を自動的にソートしてくれるため、サイズやイメージの違いから商品を返品するといった失敗も減らすことができるでしょう。DX(デジタルトランスフォーメーション)とAiの関係とはDXへの注目が高まると同時に、企業が保有している「データの価値」というものが再認識されるようになりましたが、DXにおけるデジタルマーケティングを考えるうえで重要なことは、これらのビッグデータをどのようにビジネス活用していくかということです。顧客の情報や購入までにいたる行動経過などの情報を収集できたとしても、それをビジネスの場面で活用できなければ意味がありません。Aiはこうしたビッグデータを瞬時に分析・学習することを得意分野としているため、人間だけでは知り得なかったデータの特徴やユーザーの消費傾向などの有益な情報を入手することができます。また、それらビッグデータの情報分析を通して、新しいサービスの開発を行ったり、より効果的なアプローチが可能になったりと、DXにおけるAi活用の効果は非常に大きいものであると言えるでしょう。Aiの導入につながるDX(デジタルトランスフォーメーション)お伝えしてきた通り、Aiを活用したビッグデータの分析は、今後ますます重要なものとなっていくでしょう。Aiを活用することによって、たとえば、企画段階においては、外部の市場分析とともに内部の状況をリアルタイムに把握することで、ユーザの課題を把握し、新たな機能やサービスの開発につなげることができます。営業であれば、クライアントに合ったデータを瞬時に提示できることで商談の成約率も大きく向上するでしょう。近年、スマートフォンやデジタルデバイスの普及にともない、商品やサービス全体がデジタル化の傾向を見せ始めるなか、Aiを活用したマーケティングフローの「複雑化」と「高速化」に対応していくことが重要です。まとめ企業やデジタルマーケティングにおけるデータの存在は、ときには「石油」とも換言されるほど重要なものである一方、「データの活用=Ai」 という認識だけが先行している傾向もあり、「データを活用しない」か「Aiを活用する」かの二極的な考えが多いこともまた事実です。大切なのは「Aiを活用する」ことそのものではなく、顧客に関するデータをより効率的に取得できるような「サービスの設計」と、取得したデータをリアルタイムに分析し、ビジネスに反映できる「開発サイクル」です。Aiの活用そのものが目的化してしまわないよう、まずは現状の課題をしっかりと把握し、その課題の解決には本当にAiの導入が必要なのか、必要であればどの工程にAiを活用するかなど、現状を客観的に判断することが効果的なDX施策への近道となるでしょう。
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未分類
ビッグデータとは?ビジネスへの活用例をご紹介
最近ビジネスの世界では当たり前のように利用されるようになった『ビッグデータ』という言葉ですが、実際はビッグデータがどのように活用されているのかなど詳しく知らないという方も少なくないのではないでしょうか。また、ビッグデータを利用するとビジネスにどのようなメリットをもたらすかなども知らない方が多いでしょう。そこで本記事ではビッグデータに関する基礎知識と、ビッグデータの活用例などを解説しながら、ビジネスにおけるビッグデータ活用のメリットについて解説してまいります。ビッグデータとは『ビッグデータ』とは、漠然と『大量のデータを分析すること』などと認識している方もいらっしゃるかもしれませんが、実際ビッグデータについてどのくらいの容量を超えた時点で『ビッグ』とするなど、具体的な定義が決まっていません。ただ、ビッグデータについて、総務省の『平成24年版情報通信白書』では『事業に役立つ知見を導出するためのデータ』としています。つまり、『今までとは桁違いの大量のデータを使ってビジネスを成長させる』のであれば、その大量のデータのことを、『ビッグデータ』と呼んでしまって問題ないということになるでしょう。ビッグデータと従来型のデータの違い『従来よりデータの量が多ければビッグデータと呼ぶのか?』と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。しかし、従来型のデータがただ多いだけでは、ビッグデータと呼べるわけではないのです。そもそもそれは先ほど申し上げたように、どのくらいの量以上でビッグデータと呼ぶなどの決まりがないこともありますが、ビジネスや、事業に役立つ大量のデータをビッグデータと呼ぶわけで、該当するデータが量的・質的にビジネスに何らかのメリットをもたらさなければ、ビッグデータとはなりません。要は、ビッグデータとじゅうらいがたのデータでは、量的・質的に異なるということになります。主な違いは下記のようになります。<従来のデータとビッグデータの違い>項目従来型データビッグデータデータ量従来の分析システムで取り扱えるよう、データ容量を合わせており、極端に巨大ということはない。具体的に「何テラバイト、何ペタバイト以上がビッグデータ」と決まっているわけではないが、扱うデータ量が今までよりも桁違いに膨大。細かさ、多様性あらかじめデータ項目を設定しておき、それに合わせてデータを入力していく。項目にないデータは記録されない(例:Excelの表)。より細かく多彩な情報が含まれる(例:検索履歴、ネットショッピングでの利用履歴、SNSへの書き込み、画像、動画など)。リアルタイム性データの収集が終わってから、定期的に分析を行うため、リアルタイム性には乏しい。ビッグデータの多くがネットを通じて収集されることが多く、データの更新や分析がリアルタイムで行われる。ビッグデータと従来のデータでは上記の表のように、『データ量』『細かさ、多様性』『リアルタイム性』などが異なってきます。また、ビッグデータはこれまでとけた違いの量や質のデータとなるわけですから、従来のような分析方法ではデータを分析することができません。というわけで、ビッグデータの解析などでは、専用のシステムを利用して分析結果を知ることになります。細かく多才なデータと、それらのデータを収集・分析するためのシステムがあって、初めて『ビッグデータ』が『ビッグデータ』として成立するということです。そしてそのようなデータの収集と分析を比較的手軽に利用できる環境が普及してきたことで、ビジネスにおいても利活用が広まってきたのです。ビッグデータの活用例では、実際に、ビッグデータはビジネスにおいてどのように活用され、どのようなメリットが得られるのかという点について見ていきましょう。スーパー・コンビニなどスーパーやコンビニなどでは現在、Aiシステムを利用した無人化などが図られている成長中の市場でもあります。無人化はもちろん、セルフレジなどの導入により、デジタル化が図られていることもあり、Aiシステムやデジタルシステムと連動して顧客の行動を分析し、売り場を効率化することができるようになるでしょう。具体的には店内に顧客の動きを分析するセンサーを設置し、そのデータを分析。顧客がどの陳列棚に手を伸ばす回数が多いか、店員の配置によって売り上げがどう変わるかなどを分析することができます。また、売れやすい商品の補充タイミングなども分析できることで、効率的に店舗運営を行うことも可能です。金融機関金融機関では、例えばTwitterなどのSNSへの投稿を分析して顧客へ情報を提供することができるようになります。Twitterのつぶやきは、意外にも株式市場に関する重要なツイートが隠れているものです。というのも、例えば、Twitterでつぶやかれている頻度の高い企業名、商品名を抽出し、話題になっている商品やサービスを発見することで今後の株価上昇を予測し、金融機関や個人投資家に情報を提供することができるというわけです。このようなSNSからの分析に関しては、金融機関に限らずアパレルメーカーでも利用でき、SNSでトレンドを分析することで、お客のニーズに合った商品を開発することができるようになります。飲食メーカー自動販売機を利用する際、お客がどの商品を選ぶかなどの分析に、自動販売機自体に監視カメラが取り付けられており、お客の行動を分析されているのをご存知でしたでしょうか?その監視カメラの映像から、どの位置に一番視線が集まるのかを分析し、その位置に売りたい飲料を配置することで、自動販売機の売り上げアップにつなげているのです。これは自動販売機に限らず実店舗も同様で、入店してからお客がどのように行動するのかを分析することで主力の商品を効率的な位置に配置することができるようになります。宅配業者宅配業者における受取人の不在による再配達問題は、現在社会問題として取り扱われております。そうした中、ビッグデータを活用することで、伝票に記載された配送先情報を分析し、どの時間帯に不在が多いかなどを把握することができるようになります。そうすることで、再配達業務を削減し、結果的に業務効率化につなげることができるようになります。これは、配達業者だけでなく、タクシー業者も同様のビッグデータを活用し、タクシーの利用の回転率を向上させたりすることが可能です。まとめこのように、『ビッグデータ』とは具体的な定義はないものの、ビジネスの変革のために、関連するあらゆるデータを分析、解析することです。今後ビジネスにうまくビッグデータの活用を取り入れていくことで、業務効率化、人件費の削減など様々な面で恩恵を受けることになるでしょう。今回ご紹介した事例は一部にすぎません。何事も今後の在り方を変えていくという場合には、過去からリアルタイムまでの膨大なデータを収集しなければ、効果的な分析を行うことはできないのです。ビッグデータの活用で、新しいビジネスの在り方を検討してみてはいかがでしょうか。
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Aiトレンド・特集
Aiは自動運転の実現においてどのように活躍する?
Aiは現在最も注目されている最新テクノロジーといっても過言ではなく、様々な業界での活用が期待されているところです。実際に、新型コロナウイルスのワクチン開発やハッキング詐欺の防止、オフィス業務の効率化などでの利用が広がってきています。今までAiなどのテクノロジ―とは全く無縁であったといえるような業界にまで利活用がなされ始めてきているのです。それは、自動車も例外ではありません。『自動運転技術』と聞きますと、意外にも遠い未来のことを思い浮かべがちの方も多いかもしれませんが、実は進化したAiなどの最新テクノロジーを駆使することで、意外にもその未来は早くやってくるかもしれないのです。そこで本記事では、Aiと自動運転の関係から、Aiが自動運転でどのように活用され、有効的に活用するために残された課題はどのようなことがあげられるのかという点について解説していきたいと思います。自動運転とはそもそも自動運転とは何かといいますと、簡単に言えば、自動車を人間が操作せずに動かすことができる技術のことです。この自動運転にはいくつかのランクがあり、それぞれ仕組み等も変わってきますので、まずは自動運転に関する基礎知識から解説していきたいと思います。自動運転のランク自動運転技術のレベルわけは下記の通りです。レベル概要レベル0運転自動化なし運転者がすべての運転操作を行なうレベル1運転支援システムがハンドル操作し、運転手を支援するレベル2部分運転自動化システムが加速あるいはハンドル操作し、運転手を支援するレベル3条件付運転自動化高速道路など限定的に、システムが運転を操作する。運転者はシステムへの応答が必要。レベル4高度運転自動化無人でも、高速道路など限定的にシステムが運転を操作するレベル5完全運転自動化無人で、システムがすべての運転操作を行なう現在、現在日本で発売されている自動車はレベル2までの自動車であり、レベル2までの自動車は特に『運転支援車』と呼ばれています。運転支援車は、ドライバーの不注意を防いだり、危険を察知して警告するなど、交通事故を未然に防ぐように工夫された自動車のことを指します。例えば前の車との距離や歩行者を感知して、衝突する危険がある場合は音や画面で表示をしたり、ドライバーが対応出来なければ自動でブレーキをかけるシステム、車線維持をしてくれるシステムが搭載された自動車などです。また高速道路の走行中など、一定の速度で比較的長い距離を走行する場合、前方の車に追随してドライバーがアクセルを踏まなくても、一定の距離とスピードを保ったまま走行してくれる機能が搭載されておりますが、運転の責任はすべてドライバーにあり、常にハンドルを握っておかなければなりません。自動運転の仕組み自動運転技術の仕組みは下記のようになります。①認知②判断③制御通常人間が自動車を運転するときにも、認知⇒判断⇒操作のプロセスで操作をしているかと思いますが、自動運転システムでは、あらゆる危険を察知してそれらを制御することで安全に走行することができるようになるわけです。尤も、自動運転システムにおいて、重要となるのが認知の部分です。これは人間が操作をするときも同様ですが、障害物や、走行可能なルートを認知しなければ安全に走行することはできません。では、自動運システムにおいて、人間に変わって危険等を認知してくれるのはいったい誰なのか、それがまさに『Ai』であるということです。Aiと自動運転の関係性や、自動運転実現におけるAiの重要性について次項にて解説いたします。Aiと自動運転の関係Aiと自動運転は密接関係にあるとされているわけですが、実際どのように利用されるのか、なぜ必要なのかという点については詳しくわからないというて方もいらっしゃるでしょう。ここからはAiと自動運転の関係について解説していきます。Aiは自動運転でどのように利用されるのかAiは自動運転においてどのように活用されるのかといいますと、主に先ほどの解説でいう『認知』の部分です。危険物や障害物などを認知して、安全な場所を走行するには、Aiの認知の技術を用いる必要があります。また、駐車している2台の車の間からボールが出てきた時、人間の場合は、『次に子供が出てくるかもしれない』と予測しますよね。そうして、多くのドライバーが止まったり、速度を落としたりすることでしょう。このような、危険の認知から予測、判断、制御までのすべての工程においてAiが行うことができるようになるというわけです。Aiはなぜ自動運転で必要なのかAiの力をなくして完全なる自動運転車の実現できないと言っても過言ではありません。Aiはいずれ人に代わって働いたり、人に代わって何かを考えたりすることができるようになるとされております。運転では、常に周りを見て、常に危険がないか探しながら判断をし続けなければなりません。その判断を怠ったときに、事故が起こってしまうわけですよね。そうしたヒューマンエラーを防ぐため、人間に代わって自動で運転できるようになるためにはAiの技術が必須になるということです。Aiを自動運転に活用するための課題とはいえ、自動運転にAiを活用するには未だいくつかの課題が残っています。事故の場合の責任の所在Aiによる自動運転が実現することになりますと、基本的に、運転をするのはシステム、人間は簡単に言えばタクシーのお客のように座っているだけという形になります。そのような場合で事故が起きたとき、責任の所在はどこにあるのか、また保険などはどのようになるのかというところを決めていかなければなりません。交通ルールなども変わってくるでしょう。ルール変更に伴い、法律が変わる可能性もあるので、そうした責任に関する事項を整備しなければなりません。ハッキング対策Aiの活用で自動車のIT化が進めば、インターネットにつながったパソコンと同様に、自動運転車もサイバー攻撃の標的となる恐れがあり、故意に事故が引き起こされる懸念もあります。また無人の完全自動運転車は、ハッキングによる車そのものの盗難などへの対策を行う必要もあるでしょう。インフラ整備また、自動車にAiなどのIT技術を搭載するということは、通行する道路上にもアンテナ等を張り巡らせる必要が出てくるかもしれません。また、人間がこれまでのように、1人一台の車を持つようになるのか、例えばサブスク型で街を走っている車に乗り込むシステムになるのか、様々なインフラ整備も課題として残っています。まとめ今も徐々に自動運転技術のレベルは上がってきており、だんだんとAiの活用も視野に入れられ始めているところですが、何せインフラ整備や、その他ルールの整備などが整っておらず、自動運転化が実現するのは、もう少し先の話に思うかもしれません。しかし、国的にも現在Aiやその他IT技術などの最新テクノロジーを利用することで、人とAiが共存し、協力し、便利な世の中に変革していこうという動きになっています。一説では2030年には完全なる自動運転化が実現するともいわれているところです。いずれにせよ、自動運転化にはAiが必須であり、Aiなくして自動運転は実現しないということです。今後もAiや自動運転技術の進歩から目が離せません。
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Aiニュース
『災害大国』の日本にとってAiを活用することは防災、減災につながるのか?
日本は世界の中でも地震や津波、台風などの自然災害が起こりやすい『災害大国』と言われています。こうした自然災害と向き合っていく中で防災を含めた自然災害対策は重要な課題となっているわけですが、近年Aiの発達によって、従来は困難だった精密な被害予測や、効果的な救助活動が可能になりつつあります。Aiの活用で、自然災害による被害を減らすことができるとすれば、どのような活用方法があるのでしょうか。今回は、実際の活用事例と共に、今後の動向について言及していきます。自然災害におけるAiの活用方法と事例自然災害対策や防災分野におけるAiの活用方法としては、大きく下記の3つに分けられます。①【防災】自然災害の事前予測、または災害発生時の被害想定②【被災状況把握】災害発生時の情報収集、救助の計画などを支援③【多言語コミュニケーション】災害発生時のインバウンド観光客に向けた避難誘導などここからはそれぞれの分類別のAiの活用方法と事例を紹介していきます。・防災分野でのAiの活用国立研究開発産業技術総合研究所(産総研)では、日本電気株式会社(NEC)と共同で、Aiを活用した技術の開発や、様々な産業へのAiの活用における研究が進められています。中でも、現場において足りない情報をシミュレーションで補いつつ、Aiの能力を最大限に引き出す『シミュレーションとAiの融合技術』は、自然災害に有効的であるとされています。従来では、大規模な災害など過去のデータが多くないものの場合、ビッグデータを処理することは難しいとされていました。つまり、大規模な災害等は過去のデータが不十分なためにAiによる予測が難しかったということです。しかし、同研究では、観測したい現象だけを集中観測する技術の開発に成功したことで、Aiはより効果的な機械学習ができるようになりました。更に、シミュレーションとAiを融合させることにより、災害発生の時期や、規模が予測できるようになるため、事前の避難や効率的な避難準備作業が可能になります。特に、昨年2019年発生の台風19号では、水害や災害報道にとどまらず、北陸新幹線車両基地の水没による交通への影響や、文化財の水没など、社会への影響は多方面に拡大しました。このようなスーパー台風の発生は、地球温暖化の影響により、今後増えていくことが予想されています。しかしそのような際もAiやシミュレーションを活用し具体的な発生しうる大きさ、勢力の強さなどが予測できれば、洪水やインフラ対策などの防災対策も一層効率化されることが考えられます。・被災状況把握へのAiの活用防災の次に大切になるのは、実際に自然災害が起こってしまった際その状況を多くの人が正確に把握するための『被災状況把握のツール』です。特に従来でもテレビやスマホなどは、情報発信ツールとして活用されています。また、東日本大震災の際にはSNSが広く活用され、広域の被災状況の情報収集や共有に対してSNSの活用は有効的であることが認められました。しかし、これらは人手に依存しておりその情報の整備や統合において改善が求められている状況です。その点を解決するために、Aiの活用が始まっています。特に、ユニバーサルコミュニケーション研究所では、Aiを用いてTwitter上に投稿された災害関連情報をリアルタイムに分析し、都道府県、市町村単位でエリアを指定すると、指定エリア内の被災報告を瞬時に要約することができるシステムを試験公開しました。これにより、従来は人間がSNSを確認して情報確認や場所の特定をしていたものが、Aiによる分析が可能になることで各種支援や避難指示等を効果的に行うことができるようになります。更には、今後の災害時、救助ヘリ等の活動を妨げない範囲でAiカメラを搭載した小型のドローンを活用して被災地域の状況を、Ai画像解析によって判断することができるようになります。そうすることで、土砂崩れの危険性や、火災延焼の可能性の認識など、専門家でなければ判断がつかなかった判定も可能になり、より高度な被災状況の発信や分析が可能になるわけです。また、LINE株式会社では、多くの日本人が利用しているコミュニケーションアプリ「LINE」が災害発生時に有効活用できるよう、災害時に役立つ機能の充実に取り組んでいるそうです。テキストや音声などでコミュニケーションを図る『AIチャットボット』を自治体の問い合わせ窓口として導入し、よりスムーズな情報共有を実現するといいます。このようにSNS上に投稿された情報を把握したり、SNSでリアルタイムのやり取りを行うことで被災地のリアルな状況をAiが把握し、効果的な避難誘導や救助活動に役立てることが期待できます。・災害時の多言語コミュニケーションにおけるAiの活用このような自然災害時において、自治体が策定している避難計画はその地域の住民が対象であり、企業の従業員については企業が避難計画を策定しています。ですので、近年増えつつある外国人観光客の避難については現状策定がなされていないわけです。実際に、訪日数の多い、中国、韓国、台湾の訪日経験者へのNTTレゾナントのアンケートによると、『日本で被災した場合に最も困ること』として『日本語への通訳』という回答が多く見られました。更に、約9割の回答者が自国語に対応した防災アプリをインストールしておきたいと回答があったといいます。今夏には東京オリンピックを控えている日本ですが、その際に自然災害が起きる可能性が0であるとはもちろん言い切れません。観光地やスポーツの観戦施設などでAi技術を搭載した翻訳サービスや翻訳機器の導入が始まってきているようですが、これらは、突発的な災害時にもインバウンド観光客への円滑な避難指示や意思疎通を可能にするともいえるでしょう。Aiを活用した自然災害対策が日本の防災、減災を実現上記の事例は一部ではありますが、近年多くの企業がAiを活用した自然災害対策を行っています。また、先ほども例に出した『台風19号』が接近した際は、神戸市内に設置された災害対策本部において、Aiアナウンサーが最新の状況を配信しました。神戸市は、昨年4月から災害発生情報の配信サービスを試験的に導入しており、実際に三ノ宮駅で看板が落下した情報を発生直後にキャッチし、関係先へ連絡、人的被害がないことなどを迅速に確認ができたといいます。このような、Aiを活用したSNSに投稿された火災や事故、自然災害などの写真や動画を自動収集し、分析、解析したうえで配信する仕組みは現在、観光庁や自治体、マスコミ等に広がってきています。更に、投稿に含まれるデマや誤情報に関しても、過去の写真などと照合して真偽を判別する機能なども充実してきているのだそうです。今後、Aiによる事前の自然災害の予測がより精密化されれば、事前に必要なものをそろえたり、安全な場所へ移動したりすることができるようになることで、二次災害などを防ぐことにもつながるかもしれません。特に、高齢者の中には、災害発生時に若年層の人々と同じスピードで避難をしたり、はたまた1人で動くことが困難な方もいらっしゃるでしょう。そのような方にとっても、事前にどのような規模の災害がどの場所で起こるのかということが把握できれば、それに備えて準備をしておくことができるようになります。現状で、Aiを活用したことで大幅な減災が実現出来た事例はまだありませんが、今後はこれらのサービスが更に発達、進化していくことで、防災や減災が実現できる未来も近いといえるでしょう。まとめ今回ご紹介した事例は一部ではありますが、自然災害の多い日本にとってAiを活用した防災対策や減災対策などのサービスは増えていくことが予想されます。自然災害はいつどこで、どのように起こるのか、人間には到底予測が出来ません。だからこそ、常日頃から防災グッズを所持しておくなどの対策を行うことに越したことはないのですが、その対策を行うには、Aiによる予測が必要不可欠です。こうしたAiの活用は二次対策を防いだり、被災状況をいち早く把握することは、結果的に防災、減災につながっていく事でしょう。
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Aiトレンド・特集
Amazonが開発したAiツール『CodeGuru』とは?
自動でコードレビューをしてくれるサービス「CodeGuru」が話題になっています。機械学習を利用したAIツールで、アプリケーションの最適化、負荷の原因になっているコード行の特定、ソースコードの品質向上、CPU使用率削減などを行ってくれます。Amazon Web Services(以下AWS)から一般提供が開始されたことで、アプリケーション開発者の間で注目を集めています。コストも時間もかかりがちなコードレビューが自動化できれば、アプリケーション開発がかなり楽になるでしょう。そこで今回は、AWSのAIツール『CodeGuru』について、解説していきたいと思います。コードレビューやコストパフォーマンス向上にお悩みの方は、ぜひ目を通してみてください! AmazonのAIツール『CodeGuru』とは?米国時間の6月29日、Amazon Web Services(以下AWS)は「CodeGuru」の一般提供を開始しました。CodeGuruとは、コード品質の改善や、バグや問題防止のためのレコメンデーションAIを搭載した開発者向けツールです。機械学習による最適なパフォーマンスや、コストの最適化、コードレビューの自動化サービスを提供してくれるサービスです。コードの問題を検出して修正方法を示す「Amazon CodeGuru Reviewer」と、アプリケーションの性能最適化を支援してくれる「Amazon CodeGuru Profiler」という二つの機能があります。2019年12月、ラスベガスで開催された「AWS re:Invent 2019」において、すでにサービス自体は発表されていました。Amazonにおける数十万の内部プロジェクト、GitHub上の1万以上のオープンソースプロジェクトのコードをベースにして、機械学習を行ったモデルを用いてコード分析が行われます。開発したアプリケーションを、サーバー上で利用するための一連の作業は「デプロイ」と呼ばれています。一般的にデプロイ後のアプリケーション監視に十分な開発者を見つけるのは、非常に困難だとされています。またバグやパフォーマンスの問題が発生しない保証もありません。しかしCodeGuruなら、既存の統合開発環境(IDE)と統合して、人気の高いオープンソースプロジェクト1万以上ののAIアルゴリズムを利用することが可能です。書かれているコードを評価するコンポーネントで、これまで困難でコストがかかるとされていた問題を解決してくれます。CodeGuruの登場により、今後のアプリケーション開発は、かなり楽に行えるようになるでしょう。 AIツール『CodeGuru』にできることCodeGuruには、以下の二つの機能があります。 CodeGuru Reviewer「CodeGuru Reviewer」は、コードレビューの自動化や、コードの問題検出を行ってくれる機能です。コードレビューの自動化においては、AWSが今まで培ってきた技術力や機械学習を用いて、コードレビューを行ってくれます。主に以下のような、本番での問題につながる可能性が高い問題点にフラグを立ててくれるでしょう。・ベストプラクティスからの逸脱を検出・ページネーションの欠落を検出・バッチ処理でのエラー処理 などソースコードのプルリクエストを自動的に分析することで、重要な問題を発見。コードの欠陥を解決する推奨事項も提示してくれます。たとえば以下のような事柄の発見や、解決方法を提案してくれるでしょう。・スレッドセーフの問題・サニタイズされていない入力・資格情報など機密データの不適切な処理・リソースリークのチェック などまたコード内のAWS APIとSDKの使用状況についてコードレビューし、最新のAWSの機能を利用しているかも判断してくれます。これにより、ベストプラクティスを常に最新の状態に保つことが可能となるでしょう。CodeGuru Reviewerがサポートする言語は、2020年7月時点でJavaのみとなっています。CodeGuru Profiler「CodeGuru Profiler」では、オブジェクトの過剰な再現、非効率なライブラリの使用、過剰なロギングといった問題における推奨事項を提供してくれる機能です。本番環境で実行しているアプリケーションの、さまざまな節約可能な部分を発見できるようになります。アプリケーションのCPU使用率と遅延特性を分析して、もっとも実行コストがかかっているコードの行を検出してくれます。またアプリケーションのパフォーマンス問題も自動的に識別。CPU仕様率、計算コスト削減、性能改善の方法なども提示してくれるでしょう。 これらの分析結果はグラフとして可視化されるので、ユーザーはどの点を改善すべきか簡単に把握できます。推奨事項の中には、非効率なコードを実行し続けることによるコストの見積もりも含まれています。2020年7月時点でのサポートは、Javaおよびその他のJVM言語となっています。 『CodeGuru』のメリット「CodeGuru」を使用するメリットについて見ていきましょう。コストがかかりすぎている部分を発見できるコードとアプリケーションが効率的であればあるほど、実行コストは減少していきます。CodeGuruを使用すれば、アプリケーションの節約可能な部分が簡単に発見できるようになります。パフォーマンスの問題、修正方法、推奨事項、非効率なコード実行にかかるコストの見積もりを提供してくれます。また修正に優先順位をつけることも可能なので、非常に便利だと言えるでしょう。パフォーマンスの最適化が可能AWS Lambda、Amazon EC2、Amazon ECS、AWS Fargate、AWS Elastic Beanstalk、オンプレミスで実行するあらゆるアプリケーションプロファイラーエージェントをJVMに添付EC2、コンテナ、オンプレミスアプリケーションLambdaをインスタンス化する場合には、1行の変更でLambdaコード内にエージェントが添付されます。コードの問題を本番稼働前に発見できるCodeGuruは、AWSが何十年に渡り蓄積した知識と技術に基づいたトレーニングが実行されています。コードレビューの場合、GitHub、GitHub Enterprise、Bitbucket Cloud、AWS CodeCommitなどにコードをコミット。Amazon CodeGuru Reviewerが既存のコードベースを分析して発見しにくいバグ、重大なコードの問題などを高い精度で識別してくれるでしょう。それらの問題を修正する方法も提供し、連続するコードレビューのベースラインを作成してくれます。異常の早期検出と通知が可能Amazon CodeGuru Profilerは、パフォーマンスの異常を自動的に検出してくれます。異常が検出された場合、10分以内に指定先へと通知が送信されます。早期検出と通知により、本番環境で問題が深刻化する前に防止できるでしょう。ユーザーへ影響を与える前に、修正するための十分な時間が得られます。 『CodeGuru』のデメリット「CodeGuru」を使用する上での問題点についても紹介させていただきます。プロファイルできるアプリケーションの種類が限られている2020年7月現在、プロファイルできるアプリケーションの種類は限定されています。Amazon CodeGuru Profilerは以下のアプリケーションで動作するので、留意しておいてください。・Amazon EC2、Amazon ECS、Amazon EKSで実行されるコンテナー化されたアプリケーション・AWS Fargateで実行されるサーバーレスアプリケーションでホストされるアプリケーション対応リージョンが限定されている2020年7月現在、AWS コンソールで表示が確認できたのは以下のリージョンです。・アジアパシフィック (シドニー)・欧州 (アイルランド)・米国西部 (オレゴン)・米国東部 (バージニア北部)・米国東部 (オハイオ)このように現時点では国外リージョンとなっていますが、AWSコンソールからは利用できるようになっています。 まとめ今回はAWSが提供開始したAIツール「CodeGuru」について解説しました。CodeGuruはコードレビューの自動化や、コードの問題検出、実行コストの削減などを行ってくれます。今まで困難とされていたことがお手軽に行えるようになるので、今回の一般提供開始は非常に注目を集めています。Amazonによると社内では8万件のアプリケーションの最適化に利用され、数千万ドルの節約につながったとされています。現在は国外リージョンとなっていますが、今後の動向からは目が離せません。新たな情報が発信され次第、本サイトでも情報を提供していきたいと思います。
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Aiトレンド・特集
今すぐ使える!Ai搭載家電5選
皆さんはAiと聞いてどのようなイメージを持ちますか?日常生活ではほとんど利用機会がない、身近なところで利用されることはほとんどない、、、など、Aiに対して『遠い存在』であるというイメージを持っている方も少なくないでしょう。しかし、近年では、Aiを搭載した家電が徐々に浸透してきているのです。家電といいますと、普段の生活で欠かせないもので、食事の際は炊飯器や冷蔵庫、オーブンレンジが必要になりますし、部屋の温度調節にはクーラーを利用することもあります。そこで本記事では、日常生活で最も身近な家電の中でもAiを搭載した家電を5つご紹介していきます。家電にAiを搭載するメリットとはただ、そもそも家電にAiを搭載してどんなメリットがあるのか、今の機能でも十分満足だ!という方も、中にはいらっしゃるはずです。まずは、家電にAiを搭載するメリットからご紹介していきます。家事の負担が軽減できる1つは家事の負担が軽減できるという点です。Aiは工場などの企業で利用されるとき、主に人間の繰り返し行うような作業を人間に変わって行います。Ai家電も同様で、例えば、朝設定した時間になればカーテンが開き、キッチンに向かえば電子レンジが冷蔵庫の中身にあるものを参考にレシピを考えてくれるなどです。また、鍵のかけ忘れ、電気の消し忘れが気になれば、Aiが人の気配を検知して勝手に消してくれたり、鍵をかけてくれたりするでしょう。また、Aiがごみを検知し、自動でお掃除を行うお掃除ロボットも、家事の負担を軽減してくれます。時間を効率的に使える特にお子様のいるご家庭、介護をされているご家庭ですと、家事に使う時間はなるべく少なくしたいものです。しかし、家事の負担が軽減されることで時間を効率的に利用できるというメリットもあります。というのも、Aiは機械学習で得た、効率的な家事の進め方、最短の進め方を人間に提示したりすることもできるため、極端に言えばこれまで夕食を作るのに1時間かかっていたところを、Ai家電に『30分でできる献立』などを聞くことで、半分に作業時間を短縮することができるということです。その分、余った30分をほかの家事に充てることができるでしょう。子供でも簡単に使えるまた、Aiを搭載していることで家電自身が使い方を教えてくれます。要は故障時以外普段の扱いにおいて説明書がいらない可能性もあるということです。そうすると、子供でも簡単に家電を利用することができるようになります。ひいては、耳の不自由な方、目の不自由な方でも、音声で操作方法を案内し、実際にAiと会話をする形で操作ができたり、ディスプレイに表示された通りに操作を進めることができたりすることで、日常生活を楽に過ごすことができるでしょう。Ai搭載家電厳選5選ではここからはAi搭載家電の厳選5選をご紹介していきます。SHARP ヘルシオ家事の中でも、特に負担の一つとなっているのが料理であるという方も多いのではないでしょうか。マンネリ化は防ぎたいけども、思いつかない、そういったご経験のある方もいらっしゃるでしょう。そこで利用できるのがSHARPのヘルシオというAi搭載のオーブンレンジです。インターネットとつながり、Aiの音声認識機能を搭載することで、音声操作が可能な家電の開発にいち早く取り組んだのはSHARPでした。インターネットにつなげるとAiと会話することができるようになり、説明書をみなくとも操作方法を教えてくれたり、食材などからおすすめの料理を提案してくれることも可能です。使用した履歴も蓄積して学習していくので、使うごとに、使用者の好みの傾向をつかんで提案することもできます。献立に困ってしまうという方でも、Ai搭載のオーブンレンジを活用することで、栄養バランスの取れた食事、時短な食事を毎回提案してくれ、料理の負担を軽減することができるでしょう。SHARP IoT冷蔵庫SHARPが2017年に発表した冷蔵庫はAiを搭載したIoT冷蔵庫です。クラウドサービスと連動して冷蔵庫にある食材に合わせたメニューを提案してくれたり、扉の開閉時間を学習することで食事の時間や起床時間など家族の生活サイクルを把握することができます。要は、利用者に合わせて動いてくれる冷蔵庫と申し上げればわかりやすいでしょう。天候などの外気の情報とも連動しており、寒い日には暖かいメニューを、暑い日には冷たいメニューを、冷蔵庫の中の食材で作れるメニューを提案してくれます。冷蔵庫の中身の食材で食事を作ることができれば食品ロスを減らしたりすることにもつながるかもしれませんね。Panasonic ロボット掃除機ロボットの掃除機といえば、ルンバなどを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、Panasonicが発表したロボット掃除機『RULO(ルーロ)』は、本体上部にあるレーザ距離センサとディープラーニングを使った独自の『Ai床センサ』で床上の物体を認識して、その段差に応じて本体を事前に持ち上げることができるというのが一番の特徴です。つまり、床に落ちているごみを検知して、その場所を狙ってきれいにしてくれるAiロボット掃除機であるとお考えいただければわかりやすいでしょう。Aiがごみを検知してくれるので、人間が掃除機をする手間が省けますし、もしかすると人間よりも部屋をきれいに保つことができるようになるかもしれません。RULOは今後、ビジネス用のモデルも展開していくとのことです。ダイキン Aiエアコンダイキンが2019年秋に発表したAiを搭載したエアコンは、ユーザーの好みの快適さを使用パターンから学習し、適切な温度を自動で設定することが可能なエアコンです。従来型のエアコンの場合は、25度に設定すると、部屋が25度になったら、安定運転に切り替わっていました。しかし、部屋が25度になるころには、ユーザーが感じる体感気温は低いことが多く、設定温度をユーザーがあげていることが多くあるそうです。そんな、ユーザーのリモコン操作のパターンを記憶し、さらには壁や床の放射熱までをAiが感知することで快適な部屋を提供することができるようになります。些細なことですが、エアコンによる寒さや暑さは意外にも人間のストレスになっているものです。それを自動で変化させてくれるのであればとっても便利です。SHARP ココロビジョンプレイヤーSHARPのテレビといえば、AQUOSを思い浮かべる方も少なくないでしょう。中でもココロビジョンプレイヤーというテレビは、Aiが活用されており、好みの番組を学習して、おすすめの番組を提案してくれることができます。特に、情報がたくさんあふれている現代だからこそ、取捨選択をしていかなければならない時代です。しかし、せわしい毎日の中であふれる情報をどのように選択すればよいかわからないという方も多いでしょう。そんなときにAiを搭載したテレビを活用することでユーザーにあった番組を選択してくれ、情報取捨選択の手間が省けるようになるわけです。Ai搭載家電の今後とはこのように、自宅用の家電が徐々に広がってきている中、近年では、自宅内の様々なモノをインターネットにつなげた『スマートホーム化』なども広がってきています。近年至る所で利用される『スマート』という言葉、これは、インターネットやAiなどの最先端技術を利用して、人間の暮らしを豊かなモノ、便利なものにしようというものです。スマートオフィス、スマートフォン、などなど、いろいろあります。今後は、上記にご紹介した家電から、これまでインターネットにつながるなど予想もつかなかった、『ベッド』や『トイレ』、そして『自宅のとびら』などもインターネットに接続された商品が一般的になるかもしれません。実際に、ベッドやトイレについては介護現場において活用されているところもあり、認知症の方などの介護において、ベッドやトイレの使用回数、ベッドに寝ているときの睡眠の質などをAiが検知し、異常があれば管理者のスマホにアラートを流すことができます。一般家庭であれば、安眠ができる音楽を流してくれたり、安眠できる寝方、生活スタイルに合わせてベッド自体が朝目覚まし代わりに起こしてくれたりするようになるかもしれませんね。と、このように、今後はますますいろいろなものがインターネットにつながり、Ai家電が当たり前になり、Aiのおかげで人間の暮らしはより生産的かつ、豊かになっていくことでしょう。まとめ本記事ではAi搭載家電5選と合わせて、Ai家電を利用するメリットから、今後のAi家電について解説してまいりました。Aiを身近なものに感じることができていなかったという方も、こんなに身近な場所にAiを搭載したものがあったのだと驚いたと思います。家電は、いつの日も人間が豊かに暮らすことができるものとして長年愛されてきました。今後はAiを搭載することで、さらに人間の生活は便利になっていくことでしょう。AiチョイスではAiに関する最新情報を随時更新してまいります。Aiに関する疑問などがあればぜひコラムを除きに来てください。
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Aiの基礎知識
【機会学習とは】3種類の学習方法や使い分け、5つのアルゴリズムにも注目!
Apple製品の代名詞と言えば、やはり「iPhone(アイフォン)」ですよね。このiPhoneですが、「Siri(シリ)」による音声コントロールに始まり、顔認証技術の「Face ID(フェイスアイディー)」や、指紋認証システムの「Touch ID(タッチアイディー)」など、実はAiの技術を結晶した製品だということをご存知でしょうか。今回は、Aiにおける基礎知識として「機械学習」にスポットをあてて、その種類やそれぞれの学習アルゴリズムなどについてをわかりやすく解説し、Siriが私たちの顔や声を正確に認識できる謎に迫っていきましょう。機械学習とはAiは、入力された膨大なデータを瞬時に学習・分析することで、それらのデータ群に内在する共通項や規則性を発見し、最適な回答を見つけ出したり、カテゴリ別に分けることなどを得意としています。こうしたAiによる一連の学習活動を「機械学習」と呼び、この機械学習には、入力するデータのタイプや環境状況に応じて、主に3つの種類が存在します。機械学習の3つの種類①教師あり学習教師と言うと学校の先生などをイメージするかもしれませんが、Aiの分野における教師とは「正しいデータ(=以下、正解データ)」を意味する言葉となります。コンピュータに対して大量のデータと一緒に正解データを入力することで、コンピュータは入力データと正解データそれぞれのデータの特徴を読み取ります。この学習を繰り返すことで、コンピュータは入力されたデータのうち「どのデータが誤りで、どのデータが正しいか」を正確に判断できるようになるのです。②教師なし学習教師なし学習とは、先ほどの教師あり学習とは異なり、膨大な正解データの分析を必要としない入力データのみの学習パターンになります。正解データを学習しない代わりに、膨大な入力データそれぞれが持つ構造や特徴を分析し、カテゴリ別にグループ分けを行ったり、要素の簡略化を行ったりします。入力されたデータに対してコンピュータ自身がそれぞれのデータの共通項や規則性を見つけ出し、カテゴリ別に分けていく学習パターンです。③強化学習強化学習とは、簡単に言うと「コンピュータがとる行動の方針を最適化する仕組み」を学ぶという、トライ&エラー型の学習手法になります。コンピュータが良い行動をとると高い報酬を、逆に悪い行動をとると低い報酬を与えるよう行動の結果ごとに報酬の値を設定し、その報酬を「最大化」するように機械は試行錯誤を行ってくれるため、コンピュータ自身が自分の学習を強化していくことで精度を上げていくという仕組みになります。さらに現在では、この強化学習と「ディープラーニング(深層学習)」という学習手法を組み合わせた「深層強化学習(DQN)」が、強化学習の中でも主流となっています。囲碁の世界チャンピオンを倒した囲碁Ai「AlphaGO(アルファゴー)」にも、この深層強化学習が活用されています。機械学習における『教師あり学習』と『教師なし学習』の使い分け教師あり学習は、入力データと正解データをセットで読み込ませるため、ある特定の画像やテキストなどを判別する際に役立ちます。例えば、がん患者の大小さまざまな細胞画像を正解データとすることで、受診者の細胞を正確に判別することが可能になるため、がんの早期発見や早期治療に役立ちます。対して教師なし学習は、正解となるデータが存在しないため、膨大な数のデータをそれぞれの共通項に分類したり、規則性に沿ってカテゴライズする際に重宝します。これは、企業の保持している顧客データなどのビッグデータに応用することで、顧客のニーズやユーザー行動の分析が可能になるため生産性の向上に繋げることができます。このように、教師あり学習と教師なし学習それぞれにメリットとデメリットが存在するため、導入の際にはAiの利用用途を吟味した上で検討しましょう。機械学習で利用されるアルゴリズム上述した3種類の機械学習手法ですが、その中でもさらに細かいアルゴリズムによる分類が存在します。ここからは、機械学習の際に用いられる、主なアルゴリズム5つを確認していきましょう。分類(=教師あり学習)教師あり学習の一つで、「分析したい入力データが属するカテゴリーやクラスが何なのか」を判定する手法。回帰(=教師あり学習)教師あり学習の一つで、「売り上げや成長率といった数量を扱う場合の学習方法」で、過去の顧客データから新規顧客が今後どのくらい訪れるのかなどを予測することができます。クラスタリング(=教師なし学習)教師なし学習の一つで、「類似するデータ同士を機能やカテゴリごとに分けて集める」という、回帰の教師なしバージョンのような学習手法です。次元削減(=教師なし学習)教師なし学習の一つで、機械学習でも特徴量が不必要に多すぎると、いわゆる「次元の呪い」という現象が起こり、精度が悪くなることがあることから、データの次元(特徴量の数)を減らす手法になります。異常検知機械の故障やデータ分析の外れ値などのコンピュータ数値における異常を検知・推測する際に利用する手法です。■まとめ一口に機械学習とは言っても、Aiの利用目的や導入先の環境などによって適切な学習方法や採用すべきアルゴリズムは異なります。Aiの導入を検討されている場合、まずは導入の前に、自身のAi活用の目的をしっかりと確認することが重要です。そもそもAiには「何ができて何ができないのか」を深く理解することで、導入による無駄な工数の発生やリスクを回避することにも繋がるでしょう。
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Aiの基礎知識
【Aiとディープランニングの関係性】深層学習について知っておくべき3つのこと
Ai(人工知能)による機械学習機能の一つとして広く知られるようになった「ディープラーニング(深層学習)」ですが、近ごろではニュースやバラエティ番組など、さまざまな場面で耳にする機会が増えました。しかし、ディープラーニングはどうして必要なのか、ディープラーニングによってどのようなことが可能になるのかなど、その仕組みや実態を正確に把握しているのは、ごく一部の愛好家や研究者だけです。今回は、ディープラーニングがこれほどまでに注目を集めている理由と、ディープラーニングについて知っておくべきポイントについて、3つの観点からわかりやすく解説していきます。ディープラーニングが注目されている理由ディープラーニングとは、コンピュータが自動的に大量のデータを読み込み、それらのデータ群の中から一定の規則性や特徴を発見する技術のことです。このディープラーニングの発達により、従来からヒトの手以外では実現不可能とされてきたさまざまな業務の「Ai代行」が実現できるようになり、近年注目を集めているというわけです。ディープラーニングが必要な理由では、今後の私たちの生活の中で、Aiによるディープラーニングが必要不可欠なものとされている理由は一体どのようなところにあるのでしょうか。それを語る上で欠かせないキーワードが、Aiそのものの「高速化」と「高精度化」です。近年、ディープラーニングは、コンピュータ技術の進歩とネットワーク通信技術の発達により、かつてないほど大規模かつ高速な処理能力を有するようになりました。また、画像や音声の認識においては、もはや人間の能力を超えるレベルにまで到達しており、日々その進化を遂げています。技術革新による「高速化」と「高精度化」が実現したことで、従来までは不可能とされていたあらゆるタスクの処理が可能となり、医療や農業、製造業や接客業など、さまざま分野において、その活躍が期待されるようになりました。Aiとディープラーニングの関係Aiとは「Artificial intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略で、日本語では「人工知能」と訳します。あらかじめ何らかのプログラムを施さなくても、コンピュータに大量のデータを学習・分析させることで、自動的に法則性やルールを発見して、ある課題に対する予測や判断を下すことができる技術のことを指します。こうしたAiによる一連の動作は、一般に「機械学習」と呼ばれ、その中でも特に、より深く複雑な情報処理を得意とする領域が「ディープラーニング」と呼ばれ、日本語では「深層学習」の名前で知られています。ここからは、ディープラーニングについて知っておくべき3つのポイントについて、わかりやすく解説していきます。ディープラーニングについて知っておきたい3つのことディープラーニングの仕組みそもそもディープラーニングとは、「ニューラルネットワーク」と呼ばれるヒトの脳神経(ニューロン)の構造を模した思考プロセスをベースに設計された技術です。ニューラルネットワークとは、入力層、隠れ層、出力層の順番で、入力された情報に対しての回答を行うシステムになります。しかし、シンプルなニューラルネットワーク構造では単純な情報しか処理できないため、より複雑な情報処理を行うために層の数を増設したもの(=多層化したもの)を「ディープニューラルネットワーク」と呼びます。ディープラーニングは、こうしたディープニューラルネットワークの技術を採用することで、今までの機械学習よりも分析精度を飛躍的に向上させることに成功しました。ディープラーニングの活用の仕方ディープラーニングが得意とするタスクはさまざまですが、代表的な例としては下記の4つが挙げられます。【画像の認識】膨大な画像データを学習させることで、その画像が何の画像であるのかを判断することができます。【音声の認識】対象の音声データを学習させることで、その音声が誰のものであるのかを認識することができます。【文章や言語の理解】文章や言語を大量に学習させることで、文脈から文法などの規則性を発見し、中身の内容を理解することができます。【未来の予測】過去にある膨大な事例を参照することで周囲の環境や状況を分析し、ある事柄における未来の予測を打ち立てることができます。ディープラーニングでできること例えば、ディープラーニングを自動運転の分野に応用することで、各種標識や歩行者の検知を高速かつ正確に行うことができるため、事故の減少に繋げることができます。医療研究の分野においては、がん細胞の発見にディープラーニングを用いることで、より高速かつ確実にがん細胞を検出することが可能になりました。これまで、人間の医師では気が付かなかったような微妙な細胞の変化を検出できるようになったため、がん細胞の早期発見と早期治療へ役立てることができるのです。ディープラーニングの活用事例Googleの活用事例Aiによるディープラーニングの技術はすでに幅広い分野で実用化され、私たちの生活を支えています。例えば、Google(グーグル)が提供している「TensorFlow(テンソルフロー)」は、深層学習のために設計されたニューラルネットワークソフトウェアで、オープンソースとなっているため誰でも無償で利用することができます。https://www.youtube.com/watch?v=XkKxSAb4EAw上記の動画では、膨大な画像データをディープラーニングさせることで、農作物の仕分けの自動化と農場における業務負荷の軽減に成功しています。Amazonの活用事例また、Amazon(アマゾン)が手がけるショッピングストア「Amazon Go(アマゾン・ゴー)」では、機械学習されたAiカメラを店舗内に設置することによって、レジを利用した従来の決済システムを廃し、完全無人化の実現に成功しました。https://www.youtube.com/watch?v=NrmMk1MyrxcAi技術を駆使することで、わずらわしいレジでの待ち時間をなくすとともに、店舗における従業員不足の解消や人件費などのコスト削減に繋がるとして注目を集めています。まとめ生活に広く浸透するようになったAiテクノロジー。昨今では、Aiが人間のもつ知能レベルを大幅に超える「シンギュラリティ問題」や「2045年問題」などが指摘されるようにもなりました。便利な技術である反面、運用を間違えてしまうと人類にとって未知の危険を及ぼす可能性があるとも言えるでしょう私たち一人一人がAiに関する知識と理解を深めることで、社会全体におけるITリテラシーの向上が必要になっているのかもしれません。