STEM教育ですでに差が?!中国と日本のAi教育の違いを探ってみた

日本では、2020年からAi教育の一環としてプログラミングが小学生の必須科目に加わりました。中国では2017年~、イギリスでは2011年~、さらに韓国では2007年~とプログラミングの開始も早く世界と比べると日本は遅れをとっているのが現状です。
そして、最近Ai市場において勢いを増す中国では、各家庭においてテクノロジーに対する熱量も高く、受験での成功こそが将来のキャリアに繋がると考えられているため、子どもに対する教育資金を惜しみません。もちろん日本においても、教育熱心な家庭も多くあるでしょう。
ところが、中国と日本のAi教育には根本的に違いがあるようなのです。
そこで、今回は中国と日本のAi教育の違いや、中国が目指すSTEM教育とはいったいどのようなものなのか探っていきます。
中国と日本の学校生活の違い
まずは、普段の学校生活の違いからみていきます。
日本では、集団生活の中での自分自身のあり方・友達を思う気持ちを学ぶなど学力とは全く関係のない部分も学校での教育として行っていますが、食文化が違うように他国では学校生活にも違いがあり中国においてもそれは同じです。
学校は学力向上のみの場
中国では、基本的に学校は勉強を学ぶ場であり日本の塾のような存在です。
日本のようにPTAもありませんし、保護者が学校に行くのは年に1度くらいで、運動会はありますが親が見に行くということはありません。競技内容においても日本の運動会は団体競技がほとんどですが、中国では個人競技が多く日頃から競争意識を強く持たせるようにしています。
そして、「勉強ができれば、運動はできなくても良い」と認識している保護者がほとんどという中、日本との学校生活においても環境の違いが伺えます。
ヘッドバンドで集中度合いを測定
全ての学校がそうであるとは限りませんが、授業が始まる前にはヘッドバットを装着し2分間の瞑想後集中力を測定し、誰が一番集中力をあげられるかを競い合います。
生徒がつけたヘッドパッドには、脳の神経細胞から電気信号を測定後アルゴリズムを使って集中度の点数に変換、モニター上に写ったロケットが生徒の集中力によって高く飛んだり下降したり、とここでも競争意識を持つよう徹底して教育されます。
引用元:https://youtu.be/SPVjY5Igkyk
昼休みは自宅で過ごす
日本の学校では、クラスごとに給食を食べますが、前述したように中国では勉強を学ぶ場のみと捉えているため食事は自宅に帰り食べるのが一般的です。
だいたい休憩時間が、1時間半から2時間くらいあり自宅にて出来立ての食事を家族と摂り、その後また学校に戻り勉強を再開します。この間家族との交流の場が持てるのは子どもたちにとっては午後からの活力に変わるのでしょう。
このように、日本と中国とではそもそもの学校というあり方の違いや、何よりも学力を中心に考えていること、そして団体ではなく個人が競争し合う社会が子どもの頃から作られているということ分かりました。
ここまでは、中国と日本の学校生活の違いをみてきましたが、続いて本題の中国が目指すAi育成STEM教育とはどのようなものなのか早速みていきます。
中国が目指すAi育成STEM教育とは
概要でも触れたように、中国と日本とではAi教育に対して根本的に違いがあると説明しました。それでは早速、中国のSTEM教育からプログラミングに対する考え方の違いまで順に説明していきます。
中国のSTEM教育とは
中国のSTEM教育とは、「Science Technogy Englineering Mathematics」それぞれの頭文字を取り、科学・技術・工学・数学の教育分野を総称したもので、子どものうちからロボットやAi・IT技術に触れることで、「自分で学ぶ力」を養っていくというものです。
プログラミング教育「Kitten(編程猫)(CODEMAO)」
プログラミング教育「Kitten(編程猫)(CODEMAO)」は、中国の4~16歳の子どもたちを対象にした子供向けビジュアルプログラミング学習であり、中国教育部のオンライン教育研究センターから、オンラインサービス部門で最高ランクの「5A」に認定された人気のプログラミング教育です。
引用元:https://36kr.com/p/981953702128897
また、新型コロナ感染対策としてもオンラインで授業が提供されているほか、夏休みや冬休みなど集中講座なども開かれており、Aiによるサポートなど休校の場合もプログラミングを学ぶ体制がしっかりできています。
プログラミング教育に対する考えの違い
中国は、STEM教育によって次世代Ai時代の養成を目指しており、必ずしもプログラミング教育にこだわっているわけではありません。
それに対して日本の場合は、プログラミング的志向を身に着けるという考え方です。
つまり、日本はあくまでも授業の一環として捉えているのに対し、中国は小学生のうちからAi時代の競争社会を生き抜く一人の人材としてすでに教育が始まっているということです。
加えて、日本のプログラミング授業は教師が教えているのに対し、中国では学校が外部機関に依頼し研究所や企業・専門家に授業を依頼することが多く、子どもたちは専門的な知識を持てるようになります。
中国が目指す次世代Ai人材
中国政府は、2030年までに世界水準トップを目指し、2017年には第一段階~第三段階までの「次世代AI発展計画」を発表、Aiの人材育成も活発化しています。
加えて中国の検索大手のBaidu(百度)は、2020年7月に今後10年間で人工知能・チップ・クラウド・コンピューティング・データセンサーを拡大後、2030年までには500万台のインテリジェントクラウドサーバーの導入、そして、2025年までには500万人のAiエキスパートの育成を予定するなど具体的な目標を掲げています。
さらに、2019年には180の大学のAi関連選考の設置申請を承認したと発表、2030年までにグローバルAiリーダーになることを計画として持つ大学だけではなく、企業も大型投資を行うなど、国をあげてAi人材育成に協力的な様子が伺えます。
引用元:5000000 + 5000000 (qq.com)
中国は、このようにAi人材育成に国をあげ協力体制が整っています。しかし、実際に今後Ai時代に活躍する子どもたちにとって、大切な教育とはどのようなものなのでしょう。Ai教育ばかりとは限らないようです。
Ai時代も活躍するいま必要な教育
現地中国で、日本人向けの学習塾「わかば中深セン教室 epis Education Centre」を運営する教室長の渡辺敦さんによると、中国はSTEM教育が始まる10年前から電子辞書などを活用しながら学習をしていたことが、デジタル端末を使った教育に馴染みやすく、STEM教育の急成長に繋がったとしています。
今ではこうした端末が普及し、日本でも当たり前に使いこなす子どもたちの姿が多くみられますが、そうした考えからも一つは早いうちからSTEM玩具で遊ばせ慣れさせることも大切な教育の始まりではないでしょうか。
二つ目には、『主体性』『思考力』『感謝する心』『実行力』この4つの力を身に着けられる教育に転換しなければならないと、独行政法人日本学術振興会顧問・学術情報分析センター所長の安西祐一郎さんは言い、こうした力を身に着けたうえで、特に高校生から大学生の間に、DSやAiを身に着けておくことが必要になるとしています。
まとめ
本記事では、中国と日本のAi教育の違いや、中国が目指すSTEM教育とはいったいどのようなものなのか調べてみました。
学校生活の様子にも日本とは全く違った印象を受けましたが、それが後々のAi教育にも繋がってきており、特に日々教育の一環として考えられている「競争意識」の徹底は大人になっても受け継がれ、今後のAi時代を生き残る子どもたちに受け継がれていくことでしょう。
国によって考え方はさまざまですが、各家庭において、いまお子様にとってどのような教育が必要とされているのか、じっくり検討されてみるのも良いですね。
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